株式会社ノウトとは

Hasegawa Settan (1778-1843) [Public domain]

株式会社ノウトの生業(なりわい)は?と聞かれますと、もちろん文房具ノベルティ&メーカーですが、実はひとつではありませんで、いろんなことをやっております。

世の中は猫も杓子もブランディングの時代。「これだ!という専門分野がないといけません。」ということをよくお聞きします。もちろんわたくしたちも、他社様のお手伝いをするときなどは、「いかにその道のニッチな専門ブランドであるか?」をアピールしてもらうようにしています。誰にも負けない得意分野を持つこと、これは個人でも会社においても大切なことです。

しかし、大企業でさえバタバタと倒産するこのご時世、弊社のような小さな所帯が、ひとつの分野、ひとつの仕事だけでこの先ずっとやっていけるのか?これは甚だ疑問です。

江戸時代の町人のように

以前、本で読んだのですが、江戸時代の町人の多くは、いくつもの仕事を掛け持ちして暮らしていたとのこと。つまり、生業がいくつもあったのですね。もちろん、メインの仕事はそれぞれにあったようですが、みんなサブの仕事を持っていた。今でいう副業とか、複業ですよね。

もしひとつがダメでも、残りでなんとかカバーできる、もしくは季節によってメインが変わるとか、そういうしなやかなイメージが思い浮かびます。

ノウトにはきっと、そういうスタイルが向いていると直感しました。専門分野がひとつでなく、いくつかあるわけです。代表の高木は企画的なお仕事、文具の作り込み、販促に最適化したノベルティグッズの提案などが守備範囲、デザイナーのおおきは、イラスト、グラフィックデザインをベースとしたアートディレクションが得意分野です。ふたりともかなり幅広い。

もちろん、広いからと言って浅すぎることはなく、プロジェクトごとにかなり深くこだわりを持って仕事する種類の人間です。(お付き合いのある方はおわかりかと思いますが。)

あなたの応援をする

そんな中でも、変わらない思いがあります。それは、行動のコアに、常に誰かを一生懸命に応援する姿勢を持っていたいということ。商売だけのドライなお付き合いは性格的に無理なのです。はっきり言って、これは商売下手かもしれませんね。

江戸時代の話に戻りますが、現代のような大企業的組織もほとんど存在しなかったそのころ、自分を守ってくれるものは、町内の仲間や親戚のおじさんおばさんでした。何かにつけ世話を焼き、焼かれ、助け合って生きていく。今後はきっと、世界的なメガ企業と個人的マイクロ会社という、極端な分かれ方になっていくと思いますから、わたくしたちのような小さな会社はゆるく広くつながって、がんばっていくべきではないか?そう考えました。

その中で、わたくしたちがこれまで培ってきたものが、どなたかの役に立てれば最高です。(そしてもちろん、同時に弊社もたくさんのお仲間に支えられています。)

世の中の難しいことはわかりませんが、この思いだけは真ん中に据えて、日々の業務にあたっていきたいと考えております。

社会を応援する

小さな会社ですので、大したことはできませんが、何らか社会に貢献することに関わり続けていたいと思っています。いや、本当に社会貢献と言えるのかどうかもわからないようなことですが。

例えば、3ヶ月に一度開催している、文具祭りというイベント。これは普段会うことのない、文具メーカーさんと、文具ファンが一堂に会して交流し、文具トークを肴にしてする大きな飲み会です。

また、毎週金曜日に行っている文具朝活会、こちらは出勤前の文具好きのみなさんがカフェに集まって、文具の世間話をするというものです。

いずれも、大きな予算はかけられませんので、参加者さんには実費(会場チケットやカフェ代)を払っていただき、自分はひたすらホストとしてみなさんに楽しんでいただくというだけのものですが、社会いや、文具業界、それでもまだ大きいですね、、、せめて自分のまわりの文具好きのみんなに喜んでいただければと思い、2011年からライフワーク的に開催しております。

こうしてあらためて文章にしてみると、貢献なんて言えない程度のことですが、自分なりの社会応援と思って、今後も続けていきます。